もつれとなる出来事はオリジナルの人のトラウマです。しかし、もつれを引き受けるということはその人のトラウマが次の世代に引き継がれるということを意味します。引き受けたもつれはオリジナルのものよりも大きくなるので、前の世代では一度しか起こらなかったことが、引き受けた世代では、その人の人生の中で何回も繰り返されます。そして、その引き受けた感情は、自分の手には負えないほどの大きさで、前触れもなく爆発的に現れたり、訳がわからないけど、小さいときからずっと感じているようだと言う人もいます。
例えば、子供が小さい時に病気や事故で亡くなったり、産まれることが出来なかった場合、親は悲しすぎて、その事実を受け入れることができません。まるでその子がいなかったかのように振る舞ってその後を生きていくことで、亡くなった子供の居場所がなくなります。後に生まれた子供は、自分の存在価値を見いだせないことがあります。
例えば、誰かが自分の利益のために、他の誰かを騙して土地や財産を奪ったとき、その後に生まれた子供が、お金を持つことに罪悪感を持つことがあります。
例えば、母親が病気などで、家の事ができないとき、子供のひとりが母親の面倒をみることがあります。本来は親がすべきところを逆に子供が親にしていることで、その後に生まれた子供が責任の感情を引き受けることがあります。
