代理人の役割とギフト
代理人とは、実際には参加していない、家族メンバーの代理の役をする人です。
顔が似ているとか、性別が同じだからとかは関係なく、クライアントの感覚で選びます。
代理人になった人は、ファシリテーターの指示に従い、許可なく勝手に動いたり、話したりすることはできません。その場所にいて、感じているそのままでいることを求められます。頭でこうした方がいい等と考えたりしないことが大切です。
代理人に指名されても、断る権利があります。断るのに、理由がなくてもかまいません。その時は別の人に代理人をお願いするので、無理にする必要はありません。
代理人になることで、自分の人生では知り得ない、知らない他人の人生の一端を感じることができるという得難い体験ができます。今までに味わったことがない感情や、実生活では経験することがない状況に自分を置くことで、自分自身の問題に対する気づきや、癒しに繋がることにもなり、代理人にとって、素晴らしい贈り物になるでしょう。
代理人の体験
私は、性的に虐待を受けていた人の代理人をしたことがあります。
初めは、逃げ道をさがしていました。しかし、まわりに逃げる道は見つかりません。天井に窓がありました。それをじっと見つめます。そのうちに、体が重くなってきました。動くのも大変で、足に重りをつけているようです。そのうち、目を開けているのが辛くなってきます。まだ、天井の窓は見えていますが、だんだん遠くなっていきます。私は足が動かなくなって、座り込んでしまいます。もう、窓も見えません。光が入ってこない部屋で横たわってしまいました。
代理人をすることで、自分が経験したことがないことで苦しんでいる誰かの気持ちを、ほんの少しでも理解する糸口になることが、あるかもしれません。
