10月になりました。朝晩寒く感じるこの頃です。日が暮れるのも早くなりましたね。
10月2日は、私の父の命日でした。
83歳で亡くなりました。ガンでした。「お姉ちゃん、お父さんガンかもしれない。」と、弟から電話が来たときのことは、今も忘れられません。父は、高齢になってからの大きな病気に大きなショックを受けていました。今まで、年のせいだと思っていた体の不具合が、実はガンだったなんて。父は病気を治すために、できる限りの事をやりました。でも、ガンの方が強かった。
実は私は父が怖かった。子供の頃、父がお酒を飲んで帰って来たあと、父の声や物音に耳をすませていたり、父がくしゃみをしただけで、怒っているのかと、びくびくすることがありました。父はもともと優しい人ですが、何かの拍子に突然怒りだすことがあり、私はよく、そのスイッチを入れてしまっていたようです。家族団らんの楽しいひとときが一瞬で天国から地獄のような状況になってしまい、そのせいで、母から小言を言われることもありました。
大人になってからは、地元のスナックや、あるいは父が来札した折りには、札幌での父の思い出の店などに一緒にお酒を飲みに行ったりもしましたが、どこか緊張して、父に自分の正直な胸のうちを話したり、甘えたりすることはできませんでした。そんな私の心のうちを知ってか知らずか、父は私のことを、自分に反抗していると思うこともあったようです。
父が亡くなる前日は、付き添いにすっかり疲れてしまった母の代わりに、私が病室に泊まりました。夜、父が私に「いっぱいやったらどうだ」みたいな顔をしたので、コンビニにビールを買いに行き、父にはスポンジにビールを含ませて、口につけてあげました。父は眠れないようで、何か言いたそうにするのですが、私は横にいただけで、聞き取ろうとはしませんでした。弟や義妹は、目の動きで父の言いたいことがわかるように五十音の表を作って、父が言いたいことをわかろうとしていたのに。こんなときでも私はやっぱり、父が怖かった。
父が亡くなった日は、父の荒くなっていく呼吸を聞きながら、私は黒い靴を持ってくるのを忘れたことを思い出して、病院を出て、靴を買いに行きました。私が靴を買っているうちに、父は亡くなり、死化粧も済ませて、病室も片付けられていました。
父がガンになってから、毎週のように父に会いに行っていましたが、私は父に何を伝えたかったのか、父のどんな話を聞きたかったのか。ただ、行って帰って来ただけでした。
命日には、父の写真の前に、父が好きだった「北の勝」をぐい呑みにい入れ、そして、後年、炭酸がきついからと、グラスに泡立てて注いで、少し炭酸を抜いてから味わっていたビールをお供えして、私もビールを飲みました。途中で涙がでて止まらなくなったので、子供みたいに泣いてみました。おとうさーん。おとうさーん。
旅が好きだった父は、墓やら仏壇に収まることなく世界中を旅していることでしょう。今、父が「おう、今、札幌なんだよ。」と、ひょっこり顔を出したら、私は父と、どんな話をするのでしょう。
ファミリーコンステレーションでは、親子をはじめ、さまざまな家族間ののトラブルが、実は本人同士ではないところに原因があるかもしれないと考えて、コンステレーションをたてて、家族メンバーの配置をみる。ということをします。誰が、どこの位置に立っているかを見るだけでも、今の自分が置かれている困難な状況を理解するのに、とても有効なのです。配置を見るだけなので、あなたが良いとか悪いとか、そんなふうにジャッジされることもないし、もっと頑張れ!と、余計な励ましもされません。その人が抱えている困難や、感じている違和感のようなものに直接働きかけるわけではないのです。
・何をやってもうまくいかない。
・仕事を休むのに罪悪感がある。
・いつも男に(女に)だまされる。
・親に受け入れられていない。
・人が怖い。
など、ファミリーコンステレーションでは、様々な問題を取り扱います。代理人として参加するだけでも、色々な気付きがあり、知らないうちに自分自身が癒されたり、自分の問題に気がついたりします。
ご参加お待ちしています。
当日、発熱や咳のあるかたはご遠慮ください。マスクの着用をお願いします。安全に行います。
おやつコーナーは、まだ我慢です。
お楽しみをご用意しますね。
尚、11月は29日 日曜日を予定しています。
日時: 2020年10月25日(日曜日)12時から 9時30分受付 10時から
場所: 札幌市内
初めて参加する人:3000円
ワーク希望の人:10000円
(割引有要相談)
代理人として参加する人:無料
参加のお申込み・お問合せは こちら からお願いいたします。
前田尚子。
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